ウルトラマンマックス

 文明批判、というよりこれは郷愁を核にした現代社会批判かな。メトロン星人
「ケータイを持ったサル」なんてくだらないこと考えたり。「狙われた街」に
対して「狙われない街」、もはや地球を侵略する必要はないと見切りをつける
宇宙人。かつて侵略の道具であった煙草が禁煙の張り紙で駆逐されている、という
ところから始まり、夕焼けに佇むメトロン星人の姿で頂点を迎える失われた時代
への哀惜。ジェネレーションギャップ、或は老人の繰り言といってしまえばそれまで
だけど、強く心に訴えるものがあるのはそこに一片の真実が含まれているからか。
最後のセリフぶつ切りは、人間は本当に駄目になったのか、それに答えるためには
ありきたりな言葉では足りない、ということなのかも。
 などと難しいことを考えなくとも、今回は基本は大人向けながらコミカルな部分も
しっかり入っていて単体でもとても楽しい話なので、子供でも大丈夫だったんじゃ
ないかと。メトロンの応急処置適当だなー。怪獣倉庫や落書きガバドンなど小ネタ
もいい感じ。セブンとのリンクの具合も絶妙。再び登板の実相寺監督、持ち味を
活かしながらマックスシリーズの一本として傑作を成立させる力量は流石。
 最後のナレーションは本編の内容とかなりズレてた。