冒険王ビィト エクセリオン 

 後で詳しく書くけど、とりあえず一言。とても良かった。
 まず、冒頭の無音戦闘からして常ならぬ迫力。仲間が救援に来たかと思えば、
相手はそれを一蹴。ビィトと決着をつけるため、バウスはヴァンデルで
あることを捨てる。全てを失った者の強さ、怖さ、そして哀れさ。
パワーアップした敵の前に追い詰められるビィト達。それでもビィトは諦めず
立ち向かう。そこに飛び込んでビィトを庇うリオン。そして叫ぶ、「僕はもう、
2度と逃げない!」バウスは2人を吹き飛ばす が、リオンはなおも立ち上がる。
「終わりじゃない!終ってたまるか!父上も、グリファス達も、ポアラさん達も、
みんなシャンティーゴで待っているんだ。僕は、皆を守りたい。そのために
戦うことを選ぶ。そして、ビィトみたいな、バスターに…なるんだーっ!」
リオンの心と力はビィトに届き、バウスはエクセリオンブレードの前に斃れる。
 あらすじを纏めてみたら、随分感情的になっちゃった。でも、この回をみれば
熱くならずにはいられない。映像によって示される敵の強さ。先週バウスが
引きずり下ろされてしまったと書いたけど、それをマイナスに感じさせない。
そしてなんといってもリオン。今まで散々溜めてきただけに、バスターになる
という台詞には格段の強さがある。そしてその直後の母親のビジョン。「守る」
という気持ちが時を越えてリオンにしっかりと受け継がれたことが確認される。
いままでの展開が一点に収束していくこの快感。熱血とか王道というものの
素晴らしさが堪能できるエピソードだった。
 作画もおそらくシリーズ最高。作画監督に袴田裕二、さろに要所に
上手いアニメーターを配することで、最後までテンションを持続させていた。
作画についてはhttp://www.geocities.jp/eva4869eva4869/さんが
詳しく検証してるのであまり言うことがない。西位輝美のパートはBの頭かと
思ったけど、こういう表情描くかなあ。今回佐々門信芳はアクション描いてる
けど、あまり気にした人はいないんじゃないだろうか。エフェクトや表情に
特徴が強く出てる。今回は上手い人が多いからか、原画の個性がはっきり
残ってるとこが多い。そしてこの作画力をフルに発揮させたのが長峯SDの
演出。作画の枚数を抑えつつも、見事なアクションに仕立て上げてくれた。
控えめにしたり派手に鳴らしたりという音関係のコントロールも見事。
画面をビスタっぽくする手法は前の演出回でも過去を表すのに使われていた。
今回はシリーズを通して成長してきた長峯演出の集大成といってもいいと思う。
どうか今後も東映にとどまってくれますように。