甲虫王者ムシキング 森の民の伝説 52話

 森から生まれたセランは空へ、宇宙船の娘パムは大地に、と結構きれいな構図。
ポポはともかくアダーの意思も切り捨てられないというのは予想外だった。
実質セラン1人で解決した様なものだけど、この辺どうだろ。ポポの行動が
セランの迷いを断ち切り、行動を促したということで主人公としての役目は
一応果たしてるのかな。ムシキングの存在が薄かった件については、アダーと
ポポが生身で対峙することになった今回冒頭の時点ですでにその役割を
終えていたということか。アダーの執着は使命感だけでカバーするには少し
弱いか。山内演出と美麗な作画で、最終回としてはとても良い仕上がり。
エピローグ、嬉しそうなパサー最後まで素敵すぎ、ソーマ救われたのかどうか
よくわかんない、押しかけ女房のパムすごい破壊力。
 寛大なセガ様のおかげで、およそ販促アニメとは思えない作品になった
このムシキング。良くも悪くも山内作品という感じ。全般に演出と作画が強く、
単体エピソードは(ネガティブな内容のものを中心に)破壊力のあるものが
多かった。反面、大きな話の方向性は迷走気味で、シリーズ構成にも難が
あった。考えてみれば、キャリアの長さの割にオリジナルのTVシリーズ
監督するのは初めてなんだよな、山内重保。途中何度もだれて、その度に
実は行き当たりばったりなのではと思ったりもしたけど、魅力的な部分も多く
作品全体の評価もあまり悪くない。パサーの長島雄一など、声優の演技も
印象強かった。作監の岩佐裕子はぴちぴちピッチで名前は知っていたけど、
強く意識するようになったのはこの作品から。阿部宗孝や二宮常雄、米田光宏、
序盤の青木哲朗の仕事も良かった。作画はアクタスがメインとは思えないほど
(失礼)安定してたなー。演出では山内監督と大平直樹
スタッフの皆さんは一年間本当にお疲れ様でした。